Jean Dreyfuss – Chap.08

ジャン ドレフュス、セラーにて

流石に今日は畑に行くには暑すぎるだろ!?

Jean Dreyfuss / ジャン ドレフュス

最近は暑い年しかない

2019年は暑い年でした。そして、最近は『暑くない年』というのが 珍しくなってきました。

ここ数年のヴィンテージを列挙すると

2018年
2019年
2020年
2022年

と暑い年が続き、そして今年、2023年は、私たちも嫌というほど感じた酷暑の年でした。

日本とヨーロッパで気候はもちろん違うのですが、これまでの経験上、同じ北半球ということもあって日本が暑い年は、ヨーロッパも暑いと感じています。

先日、そんな暑さの真っ只中にドメーヌ フィッシュバックのジャン ドレイフュスを訪ねてきました。

彼とはbe a good friendの創業以来の付き合いであり、またそれは、ジャンにとっても同じで、be a good friendは、彼のファーストヴィンテージからの付き合いになります。

それでも、「最近になってやっと打ち解けてきたな」と感じるのは、訪問の際に一緒に食事をとるようになったのが、ここ最近になってからだからです。

暑すぎた2023年のこの日も、「今日は畑に行くと本当におかしくなっちゃうよ」と言うことで、試飲を経ての昼食からスタートしました。

昼食にBBQ

結局その後、私たちの強い希望で畑に行くことになるのですが、吸い込んだ息で喉が焼けるのではないかという気温と刺すような日差しのため、いつもより短い畑散歩となりました。

雨が数ヶ月にわたってほぼ降っておらず、地表が乾燥してひび割れてしまうほどの酷暑のなか、それでもブドウの樹が葉を茂らせ、たわわに実をならせているのを見て、ブドウの生命力に圧倒されてしまいました。

前置きが長くなってしまいましたが、今回リリースするエトニック 2019も2023年ほどではないにせよ、同じく暑さと乾燥に見舞われた年でした。

これまでのヴィンテージと比較すると確かに雰囲気は異なりますが、個人的にはこのヴィンテージの特徴を良い方向に昇華できたワインなのではと感じています。

乾燥し地表に亀裂が入る2023年

年々感じる進化

ドメーヌ フィッシュバックのワインをこれまで飲んできて感じるのは、その年ごとのジャンの成長です。

毎年自信を深め、ナチュラルでありながらしっかりとフォーカスの定まったワインを生み出しています。特にキュヴェが多くなりがちなアルザスにおいて、ほぼ全てのキュヴェでぶれない味わいを表現できているのに感心させられます。

エトニックも2017年の初ヴィンテージから、ヴィンテージの影響だけにとどまらない進化を感じます。

暑さを感じさせるボリューム感やドライな雰囲気もありつつ、口に含むとしっかりと清涼感やミネラル感があり、バランスの良い味わいです。

用いられている品種であるオーセロワの特徴的な白い花を思わせるようなフローラルなニュアンスもありますが、2019年はやや控えめで、背筋が伸びたような芯を感じます。

このバランスの良さと落ち着きは、ワイン自体のポテンシャルはもちろんですが、ジャンの誠実さの賜物だとも言えます。というのも、お気づきの方もいると思いますが、今このタイミング(2023年10月現在)で出てくるヴィンテージが2019年というのは、それだけジャンがワインを寝かせていたということでもあります(インポーターのわたしたちもリリース前にさらに寝かせました)。

時の魔法によって、当初秘めていたいきいきとした果実の風味が感じられやすくなり、よいスタートを切れています。

それでいて、昨今のユーロ高やインフレの影響も最小限に感じる手頃な価格とワイン自体の質の高さに、嬉しくなってしまいます。

いつもの通り、自然酵母による発酵、瓶詰めに至るまで酸化防止剤無添加で造られるワインですが、抜栓後も長らくそのバランスを崩すことなく楽しませてくれます。

色んな意味で優等生なワインで、皆さんに安心して手にとっていただきたいなと思います。

灼熱の2023年夏、畑にて

+ 造り手詳細

Etn’Hic / エトニック

ヴィンテージ:2019
タイプ:白
産地:フランス アルザス地方
品種:オーセロワ 100%

2018年から、綴りがマイナーチェンジしましたが、2019年もまた裏ラベルの綴りがマイナーチェンジされています。理由を尋ねると、「やっぱり読みづらいから」とのこと。

キュヴェ名の意味としては、エスニック(民族的・異国風)にを重ねて名付けられていて、白い花やヨーグルトのような華やかな香りと香ばしさがあるエキゾチックな風味が特徴のワインとなっています。

2019年は暑かった年で、白い花などのニュアンスはやや控えめとなり、ボリュームとドライな風味が感じられる硬派なバランスに仕上がっています。それでいて、しっかりと清涼感やミネラル感があり、落ち着いたバランスの良い味わいが楽しめます。抜栓後の安定感も抜群で、じっくりとワインの深さに向き合うことができます。

このワインは、ビオロジックで栽培されたブドウを手摘みで収穫し、自然酵母のみで発酵。厳密な濾過(ろか)や清澄も行わず、瓶詰め時に至るまで亜硫酸塩(酸化防止剤)も無添加で造られます。