Jean Dreyfuss – Chap.07
2021年はね、雨が多くてワインが全然少ないよ。だからこの2020年がなくなったら、スフィックは一旦休みだ。
Jean Dreyfuss / ジャン ドレフュス
これからの季節にぴったり!『白不足』はこれで解消!?
今回は、再入荷ワインをご紹介します。今回、再入荷して来ているのが…ちょうどこれからの暑い季節にぴったりのドメーヌ フィッシュバックの泡や白たちです!
なんだか巷では、自然派ワインは『白不足』なんて声を聞いたりします。そんな『白不足』を解消してくれるのが、白ワインの銘醸地アルザスの素敵なワインたちです。
ドメーヌ フィッシュバックは、初期から be a good friend とお付き合いしてくれている造り手で、古くて新しい造り手です。
というのも、ジャンの家族は代々とブドウ畑を所有していましたが、ワイン造りはしばらく行っておらず、畑を貸し出しているだけでした。そこにジャンが戻ってきて、ワイン造りを再スタートさせたというドメーヌです。その再スタートにあわせて自然派ワインを造り始め、そのタイミングが be a good friend のスタートとほぼ同じという思い出深い造り手なのです。
そんなフィッシュバックから再入荷したのが以下の3種類!
- クレマン ダルザス ブリュット NV
- スフィック ブラン 2020
- コスミック NV(18-19-20)
スパークリングワインの取り扱いが少ない be a good friend ですが、そんな少ないなかでも、be a good friend らしいスタイルのスパークリングワインだなと思っているのが、ドメーヌ フィッシュバックの『クレマン ダルザス ブリュット』 です!
まず、ブドウ栽培がビオロジックであることは当然として、特徴的なのはその製法。これは、最近のアルザスの自然派ワインの造り手たちでは定番となっていますが、『糖分及び酵母添加をしない瓶内二次発酵』のスパークリングワインです。
瓶内二次発酵といえばシャンパーニュですが、シャンパーニュの場合は、原酒となるワインをまず造り、続いて炭酸ガスを液体の中に閉じ込めるために酵母と糖分を別に添加して、瓶内で二次発酵させます。
一方、アルザスの自然派の造り手たちは、原酒となるワインに対して、その翌年に収穫されたブドウの果汁を追加することによって、瓶内二次発酵を促すというものです。
そんなピュアなクレマン ダルザスですが、今回のロットも抜群の安定感と爽快な美味しさを届けてくれます。
細やかかつしっかりとした泡立ちがあり、果実味のふくよかさとキレのよい爽快感のあるスキの無い味わい。シャルドネとオーセロワという品種のアッサンブラージュ(ブレンド)で、華やかでフルーティーな果実味と厚みのある旨味、白ブドウ100%のピュアな爽快感が調和しています。
これまでよりも少し果実味が強めかなという印象はありますが、これからの季節にしっかりと冷やして提供されるには、好都合なのかなという印象です。
もうすぐ暑い夏が来ますが、このクレマンで爽快な気持ちで乗り切っていただきたいです!
続いて嬉しい再入荷のスフィック ブラン 2020。ちょっと阪神タイガースをイメージさせるような黄色が印象的なエチケット(ラベル)でおなじみのこのワインですが、シルヴァネール、オーセロワ、シャスラのアッサンブラージュ(ブレンド)のワインです。
このスフィックというシリーズは、「グビグビ飲めちゃうよ」というスタイルのワインで、スフィックという言葉も「グビグビ飲めるよ」みたいな地元アルザスの言葉との言葉遊びで名付けられたワインです。
このスフィック ブラン 2020は、これまでも何度か入荷してきましたが、実は、今回が最終入荷になります。2021年は天候に恵まれず、残念ながら生産していないということで、この定番でゴクゴク飲めるワインともしばらくおさらば…
気になる味わいですが、基本路線はこれまでと同じながらも、当然ながら前回、前々回よりも熟成が進んでいる印象はあります。一言で言うと、これまでよりも香ばしさが加わった印象です。
と言っても、これまで同様にピチピチとした微発泡感もありますし、いきいきとした果実の風味もグラスの奥から感じられ、たっぷりの旨味といっしょに楽しめるバランスの取れた味わいです。
これも、これからの季節は、少し冷やし目にして楽しみたいワインです。
そして、最後にもう1種類、コスミックNV(18-19-20)!
白地のラベルにぐるぐると渦を巻いているデザインのワインですが、ドメーヌ フィッシュバックにとってのフラグシップとなるワインです。
なぜフラグシップかというと、アルテンベルグ ドゥ ベルグビテンというグラン クリュ(特級畑)に植わるリースリングを用いて造られたワインだからです。
ただし、オフィシャルにはこのワインは、グラン クリュを名乗れません。
なぜかというと、造り方がちょっと特別で、その他のワインのような単一のヴィンテージではなく、2018年、19年、20年と複数のヴィンテージを継ぎ足しながら熟成をさせたワインだからです。いわゆるシェリーの熟成法で知られるソレラ製法のような熟成をさせたリースリング グラン クリュということですね。
気になる味わいですが、そこはやはり流石のグラン クリュ。
ミネラルがピシッと効いていて、奥行きや複雑さがあり、熟成に耐えうるポテンシャルも十分な、とにかく表現力が豊かなワインです。
いわゆるリースリングのワインにありがちな、甘さや石油っぽいオイリーな香りは全く無く、クリーンなみずみずしさがあり、透明感があります。それでいて、奥に秘めた旨味がたっぷりと感じられるので、温度が上がっても香りがぼやけることがなく、フォーカスのあった素晴らしい味わいが楽しめます。
前回は、ちょっと硬かった印象がありましたが、少し熟成が進んだであろう今回は、タッチの柔らかさが加わって心地よい味わいになっています。
山菜、天ぷら、キノコ、そばなど、繊細な味わいと香りが楽しめるお料理にあわせてみたいですね。
フラグシップにもグラン クリュにも相応しい風格のある味わいで、めちゃくちゃおすすめです!
Crémant d’Alsace Brut / クレマン ダルザス ブリュット
ヴィンテージ:NV
タイプ:泡
産地:フランス アルザス地方
品種:シャルドネ 60%、オーセロワ 40%
アルザスではおなじみの「原酒となるワイン+翌年のモスト(ブドウ搾汁)」で瓶内二次発酵されて造るクレマン ダルザスは、スパークリングワインの造り方としてもっとも好みのスタイルで、ペティアンのような抜栓してみないと仕上がりがわからないギャンブル感もなく、シャンパーニュ他の糖分・酵母添加によって生まれる力強い泡立ちが、繊細なニュアンスをマスクしてしまうこともない、ピュアで生き生きとした味わいが魅力です。
ドメーヌ フィッシュバックのクレマンは、品種がシャルドネとオーセロワということもあり、いわばブラン ド ブランで、爽快さとキレのよい飲み口、余韻の柔らかな果実味が魅力です。
飲み飽きることもなく、飲み疲れることもない。アペリティフから前菜、魚料理とどんなお料理にも相性良く寄り添ってくれるワインです。
使用しているブドウはビオロジックによる栽培で、瓶内二次発酵に際しての糖分添加も酵母添加も行わずに造られたスパークリングワインです。酸化防止剤(亜硫酸塩)に関しては若干量添加されています。
Suff[hic!] Blanc / スフィック ブラン
ヴィンテージ:2020
タイプ:白
産地:フランス アルザス地方
品種:シルヴァネール、オーセロワ、シャスラ
ドメーヌ フィッシュバックのスタンダードレンジのキュヴェとして位置づけられた「スフィック」の白が再入荷です。「スフィック」は「グビグビ飲めちゃう」のようなニュアンスの地元の言葉とかけて名付けられていると言います。
前回のリリース時よりも果実味が豊かになり、香りもフレッシュさが増してきていて、非常に良い状態です。味わいには、ヨーグルトを思わせるフレーバーがあり、旨味が見えそうな濁りと少しピチピチとした微発泡感も相まって、非常に爽快でフレッシュな味わいとなっています。
このワインは、ビオロジックで栽培されたブドウを手摘みで収穫し、自然酵母のみで発酵。厳密な濾過(ろか)や清澄も行わず、瓶詰め時に至るまで亜硫酸塩(酸化防止剤)も無添加で造られます。
Cosmik / コスミック
ヴィンテージ:NV(18-19-20)
タイプ:白
産地:フランス アルザス地方
品種:リースリング 100%
初めての輸入にライナップにあったリースリング グラン クリュ アルテンベルク ドゥ ベルグビテン 2017。ドメーヌ フィッシュバックの貴重なグラン クリュ(特急畑)から生まれるワインの1つでしたが、その後オファーもなく、ラインナップからも見かけなくなりました。
アルザスの伝統的なスタイルを意識して造られていたキュヴェ(亜硫酸添加)だったこともあり、その後、よりナチュラルでピュアなスタイルにシフトしたジャン ドレフュスが、何かアイデアを試しているのだろうと思っていましたが、ようやく登場したのがこのコスミックです。
なんとグランクリュのリースリングから造ったワインを2018年、2019年、2020年とヴィンテージを継ぎ足しながら熟成をさせ、瓶詰め時も亜硫酸塩(酸化防止剤)無添加で仕上げたワインをリリースしました。
シェリーの熟成法で知られるソレラシステムと同様の熟成を経たこのワインは、さすがグラン クリュと思わせてくれる高いポテンシャルのビシッとしたミネラル感を軸に、若々しくフレッシュな果実味とほのかに感じられるシェリーのような熟成香が同居したユニークなバランスのワインに仕上がっています。
一方で、甘い雰囲気やリースリングの特徴とされる石油香は感じられず、みずみずしさと荘厳さを感じさせてくれるテンションの高いワインという表情もあります。まさに大地に備わった力と人の叡智が高次元で結びついた素晴らしいハーモニーを聞かせてくれるワイン。じっくりと楽しんでいただきたい1本です。
このワインは、ビオロジックで栽培されたブドウを手摘みで収穫し、自然酵母のみで発酵。厳密な濾過(ろか)や清澄も行わず、瓶詰め時に至るまで亜硫酸塩(酸化防止剤)も無添加で造られます。